乾癬とアトピーの違い

乾癬と似た症状をもつ病気に、アトピー性皮膚炎があります。
どちらも皮膚に乾燥や発疹がみられますが、
かゆみの有無や角質の剥がれ、発症部位などに違いがあります。
赤い発疹の上に白いフケ状の角質が乗っている、
それが「尋常性乾癬」の典型的な症状です。
症状の違い
そのフケ状の角質(鱗屑)はポロポロと剥がれ落ちます。
いわば、アトピー性皮膚炎の肌から皮膚が剥がれ落ちる状態といえるでしょう。
またアトピーでは強いかゆみをともなうことがほとんどですが、
乾癬ではかならずしもかゆみはありません。
症状の出やすい部位も異なり、乾癬では頭皮や肘、膝など外部と接触の多い
ところによくみられますが、アトピーは柔らかい場所が好発部位です。
また顔に症状が出やすいのもアトピーの特徴で、乾癬では顔の発症は多くありません。
さらに乾癬の発疹は規則性が少なく、左右非対称であることがほとんどですが、
アトピーでは左右対称が多くみられます。
ただし、子どもの乾癬では、鱗屑がまだそれほど付着していないことも多く、
アトピーと見分けるのが難しいといわれます。
その場合は皮膚を切り取って病理検査をおこなうことで診断します。
どちらも免疫異常が原因?
厳密にはさまざまな違いのある2つの病気ですが、
たとえば東洋医学ではどちらも同じ血の問題からくるもので、
現れ方が異なるだけと考えられています。
実際、乾癬もアトピーも慢性的な経過をたどり、長く付き合わなければいけない点も同じですし、
免疫機能に異常が生じている点も共通しているようです。
通常、私たちの体は外部からの侵入に対して、
免疫機能を発揮するのですが、何らかの原因で自己を異物とみなしてしまうと、「自己免疫疾患」と呼ばれる状態になります。
乾癬もアトピーも、免疫異常によって引き起こされるのではないか、
とする説があるのです。
いずれも根気よく治療する必要のある病気ですので、
うまく症状をコントロールしながら付き合うことが大切です。