身 体 の ゆ が み

骨のずれが引き起こすさまざまな症状

 骨のずれがひどくなると、偏った重心の使い方をするようになります。それは、靴底の減り具合(かかとの内側 or 外側)・立った状態での後姿を他人に見てもらうなどでもわかります。

背骨がまっすぐで、しかもずれのない人は、ごく少数です。その方は同年輩者と比べれば、はるかに健康であるといえます。
逆に「骨のずれが多い人は体調を崩す大きな要因を持っている」と断言できます。いや、すでに症状を持っておられます。

健康の基本は、まず神経の働きを正常にすることにある
 背骨に沿って、私たちの身体の隅々にまで命令し調和させる二つの神経(脳・脊髄神経と自律神経)が通っています。背骨がずれると、末梢神経を圧迫して痛みが生じたり、あるいは、自律神経が正常に機能しなくなって 、内臓の働きや血行が悪くなり、さまざまな不快な症状(筋肉のこり、ツッパリ)が出てきます。それだけではなく、ひとつひとつの細胞にまで神経は行っているのです。
 細胞が集まり組織(筋肉)を作る→臓器(胃・肝臓・心臓)→消化器・排泄系統循環器系統系統
 頸椎(けいつい:首の骨)上部、特に第2頸椎がずれると、頭痛、めまい、難聴、時には吐き気などの症状を引き起こすことがわかっていますが、他の原因でそれらの症状が出ることも当然あります。

 脊椎を矯正することで、身体全体のバランスを整えることができ、健康な身体を得ることができるのです。 神経支配が正常になる。つまり、循環器系(血液・リンパ)、消化器・ホルモン系、排泄系が正常になる。
 健康維持には背骨を整えるほかに、食べ物、睡眠、適度な運動も関与します。

 脊椎(せきつい)の中には脊髄(せきずい)が入っています。
 その両脇から出た神経(脊髄神経)には交感神経の幹が通り、内臓の働きをコントロールしています。さらに、運動神経、知覚神経もコントロールしています。
 骨格にずれがあれば、関節のすきま(=椎間孔(ついかんこう):神経はここから出てくる)が狭められます
 椎間孔での末梢神経圧迫により、神経節での不調和を起こし、しびれ、痛みが出てきます。


脊椎のずれによって、次のような症状が出る


①頭を急に動かすとめまいがする。
 ・寝返りを打つときとか、後ろを振り向くとき、顔を上げるときなどにめまいがする。
このような場合、整体では、頚椎(けいつい)及び胸椎2までのずれを診ます。
ずれた骨が動けば、3回以内の施術でよくなります。ただし、ずれた骨が原因であればの話です。

②握力の減少
 手首を瞬間的に左回旋に強くねじられたにおきた
 コンクリートに穴を開ける際、ドリルの先が鉄筋に当たり、ハンマードリルと手首が瞬間的にいっしょに回されることがあります。そのとき、骨と筋肉の関係(注1)で、頚椎5から胸椎2までのいずれかの骨がずれて、握力が10キロぐらいになることが度々あります。
 このずれをとることによって、その場ですぐに元の握力まで回復した患者さんがいらっしゃいます。
 手首を右回旋に瞬間的に強くねじれば症状は消えるでしょうか? いいえ、症状は消えません。それは、ずれた骨が動いてはいないからです。
 症状が取れるか取れないかは、
ずれた椎骨をいかに見つけ動かすかにかかっています。動けば症状が消えます。
 
(注1) 筋肉は関節をまたいで骨にきている・・・・・・・・・・・・骨と筋肉の関係、これ重要です
・ひじを曲げる、ひじを伸ばすの動作をしてみる。表側に筋肉が縮めば裏側に筋肉は緩める作業をする。筋肉は神経によって支配されている

筋力の減少から回復?
腰痛、筋力が衰えている。その現象を見て筋力を鍛えなさい。(筋力トレーニングをするが)筋力が回復してこない。このような論法による治療法が腰痛、ひざ痛などでもいわれている。

③首筋にこり、寝違いの症状
 手足を引っ張って狙った椎骨を動かせる?
 中型犬の散歩の途中が急に右腕を、犬が急に引っ張った。その結果、首筋にコリが出た。この場合、左腕を同じ角度で整体師が引っ張れば症状が取れますか? とれない。いったんできた骨のずれは手足を引っ張って目的の骨だけを動かせるものではない。

④腕がだるい、ひじが痛い、手のしびれ、手首が少ししか曲がらない
  脊椎及びその他の関節のずれ

⑤足のしびれ、膝の痛み、つっぱって正座ができない、膝に水が溜まる、生理痛、不妊症、坐骨神経痛、冷え症、捻挫、足首が疲れやすい・可動域が少ない、靴底の片減り

⑥自律神経失調型(痛み・疲れを痛み・疲れとして感じない状態になっているにぶいからだ)

⑦神経症(不安、ゆううつ症)

⑧顔面マヒ、三叉神経痛の施術は2週間以内で早ければ早いほど成績は良い。


骨のずれからくる病気は意外と多い

 痛み、こりがなければ、病気ではないし、どこも悪くないと言えるでしょうか?
 不眠症、便秘、不妊症、疲れやすさ、体がだるくて家事もできない、食欲不振、足の冷えやむくみ、筋肉の硬縮・つっぱりなどは、痛みと無関係ですが、病気や症状のひとつであることには変わりないでしょう。

 人と比べて、筋肉の柔軟性とか可動域が極端に少ない場合は、骨のずれを疑ってみる必要があります。
1) ギブス固定による筋肉の萎縮の場合
  肘の骨折後におけるリハビリ(他人にしてもらう運動、自分で行なう運動)をおこなうことによって、筋の伸び縮みが回復する。
2) 「体が硬い」ということは、「筋肉が硬い」、すなわち筋肉が硬くなっている状態です。
その状態が長期にわたると、骨をゆがませることになります。
こった筋肉をかばう姿勢をとり続け、それが固定されるため、背骨の中心線が狂うのです。

 筋肉が極度に緊張してこりをつくり、筋が硬く縮んでしまいます。
 筋肉のこりや縮みが進行すると、慢性のこり、硬縮となります。
 こった筋肉をかばった姿勢をとるようになり、不良姿勢をつくり、脊椎がゆがむのです。
 こった筋肉(縮こまった筋肉)をそのままにしておけば、体の方でこりのこない姿勢を作ろうとします。すなわち、背骨にずれを作り、一時的にこった筋肉をだます形を取るようになるのです。

 脊椎にずれがあって、そのためにほかの筋肉が硬縮してきた場合、単にこった筋肉をストレッチで引き伸ばせばよいかというと、決してそうではありません。
 それは、こった筋肉がすぐ正常値まで回復しない場合、あらたに椎骨を一層ずらして帳尻合わせをすることになるからです。
 骨のずれからくる電気信号による持続的な筋肉の緊張(硬縮)は、骨のずれを直接直すしかないのです。